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●2022年
令和 4年 3月26日(土)
七二会小坂の福寿草まつり 同行者 田中、室賀、油野 長野IC〜七二会小坂の福寿草 〜善光寺〜白馬〜金沢森本IC
新型コロナウイルスだけではない。さまざまな感情にも伝染があった。もらい泣き、つられ笑い、身近に怒りっぽい人がいると自分までイライラしてしまったり……心理学で「情動感染」と呼ばれている。
先が見えないことから生じる不安、ネガティブな感情ほど感染力は強いという。せめて明るいシャツを着て気分もあげたい。ファッション業界が今年の流行りに差し色使いを提案している。
冬場のモノトーンを脱ぎ捨て春をよそおう。山あいの斜面は福寿草の黄色に染まり、人々の目を楽しませてくれる。となりには桜前線……北上とともに笑顔が感染するといい。
令和 4年 4月16日(土)
能登さくら巡り 同行者 お袋、上田、東、真智子 宝達志水(押水放牧場、白虎山公園、古墳公園)〜能登鹿島(能登さくら駅)〜輪島(石休場町)
毛むくじゃらで頭に角を持ち乱暴狼藉をはたらいた怪物、「猿鬼」を神様が退治した。輪島から穴水、能登町周辺には猿鬼伝説に由来する地名が数多く残っている。
弓矢が猿鬼の目に当たり「当目(とうめ)」、黒い血があふれ川になり「黒川」、その血が五十里も流れたというので「五十里(いかり)」……能登半島をまわり、ふと思う。
現実はどうか。世界中の誰もがたった一人の男を止められない。ロシアによるウクライナ侵攻、一日もはやく終わってくれと願うばかり、もはや神頼みしかないのか。
令和 4年 6月 8日(水)
美山かやぶきの里 同行者 ヘンコ 本屋根は茅葺き、その下は瓦屋根。囲炉裏があって、寝ていた部屋は二股ソケットに裸電球が付いていた。台所と風呂場はどんなだったか抜け落ちている……色褪せ破れかかった幼い日の記憶のページをめくる。
田んぼの草取りにいけば蛭に吸い付かれ、手伝いはそっちのけでドジョウ捕りに夢中だ。畑でバッタとかけっこ。ある晩は懐中電灯、竹ぼうきを持った母と蛍狩り。トンボや蝶が庭先に遊びに来てくれることもしばしば。
かつての農地は造成され民家にビルまでが建ち並ぶようになり、絶滅危惧種に指定された虫がいる。「お〜い。みんな元気か〜」昔話に花を咲かせよう。当時の風景と似た美山のかやぶき里に旧友の虫たちを訪ねてみる。
令和 4年 6月20日(月)
株杉&あじさい〜21世紀の森公園へ 同行者 岩田夫妻、松井夫妻、南條 郡上八幡〜板取・21世紀の森公園〜大野
七夕の日に降る雨のことを催涙雨と呼ぶ。諸説あり、雨で天の川が増水して、彦星に会えなくて悲しみのあまり泣く織姫の涙だと……年に一度の再会を喜ぶ2人の嬉し涙とも、織姫と彦星がようやく会えたのに、またすぐにお別れしなければならない。その時に流す涙とも。
「祖国のため戦っている人を思うと、安全な国に避難した私は何があっても泣かない」そう決めていたけど涙がこぼれる。家族と離れる選択をしたウクライナからの避難者である。言葉や文化の壁、新しい環境に不安を抱く……子どもの涙にはこちらも堪えきれない。
コロナ禍を乗り越えて、日本人男性と国際結婚。ウクライナ出身のイリーナさんは去年10月、新潟県内の集落に移り住み農業に携わる夫の一宏さんを手伝う。ほのぼのとしたユーチューブ動画にある。日本での生活にも慣れてきた矢先、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した。
里帰りはままならず、母国のオデーサから離れないという家族や友だちを心配している。恋しいオデーサが黒海に面しているからだろう。イリーナさんは海が好きという。「荒海や佐渡に横たふ天の川/松尾芭蕉」荒波の向こう、仰ぎ見る空には美しい天の川がある。星に平和を願おう。
令和 4年 7月27日(水)
福島潟 同行者 ヘンコ 豊栄新潟東港IC 〜福島潟〜月岡温泉〜金沢森本IC
7月10日投開票された参院選は、自民・公明両党が改選過半数を超す76議席を確保し圧勝。各党から新人で当選したのは選挙区17人、比例代表25人の計42人だった。ロシア、ウクライナ問題の先行きが見えない中、原油をはじめとする資源価格の急騰、それに伴う物価上昇も相次ぎ、第三次オイルショックの危機ともいわれている。しかし、投票率は52.05%と前回を3.25ポイント上回るだけの低水準であった。
オイルショックというのは1970年代に二度ほど起きた原油価格の高騰に端を発した経済的な混乱のことで、第一次オイルショックは1973年、第二次オイルショックは1979年に起きている。前者はアラブ諸国による中東戦争が、後者はイラン革命がきっかけとなっている。昭和の名曲がたくさん生まれた年代だ。この昭和歌謡がいま、SNSや動画共有サイトの普及により若者たちを中心に注目されているという。
「恋人よ君を忘れて 変わってくぼくを許して 毎日愉快に過ごす街角 ……ぼくは帰れない」「あなた最後のわがまま 贈りものをねだるわ ねえ涙拭く木綿の ハンカチーフ下さい……」太田裕美が歌うヒット曲『木綿のハンカチーフ』は、都会に出て浮かれた男性が故郷で待つ女性を捨てる内容になっている。新人議員の方にお願いする。永田町で既得権益や忖度という絵の具に染まらないで染まらないで……ハンカチーフはいらないから。
令和 4年 9月12日(月)
富山の円筒分水槽めぐり 同行者 ヘンコ 赤祖父円筒分水槽〜富山地区広域圏クリーンセンター(展望台)〜釈泉寺円筒分水槽〜東山円筒分水槽〜貝田新円筒分水槽〜おおかみこどもの花の家
水田耕作が主体であった日本では、各地で農業用水の確保にまつわる紛争(水論、水争い)が絶えず、農業用水の正確な分水は長く懸案であった。そこで、大正年間より正確な配水が可能な分水樋が考案され、各地で似た構造の施設が造られ始めた。(ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より)
人生には所どころ節目や岐路がある。私事であるが今月65歳の節目、年金暮らしと終活の始まり。……いくつかの滝から落ちた、いくつかの岩にぶつかった。痛手を癒してくれたのは言の葉、そして緩やかな時の流れだった。よどみの渦に巻き込まれたり、大雨の濁りの日は川魚に救われた……。
この世の不条理。愚痴と不平不満、他人と比べることを捨て曲がりなりにも辿り着いた平野。順風満帆であれば知りえない、寄り道をしたからこその風景が人生の指標になっている。さあ後は右に行こうか、左に行こうか。終着はどちらも海だ。ありのまま流れのままに。
令和 4年 10月21日(金)
有峰湖へ 同行者 ヘンコ 飛騨清見IC〜飛騨古川〜山之村牧場〜有峰湖(東谷線〜小見線)
県境のトンネルを抜けると……。「富山県にある山は? ダム湖は?」大抵の人は真っ先に山なら立山か剱岳、ダム湖なら黒部湖と答えるだろう。飛越トンネルを抜けていくと黒部湖の貯水容量を上回る有峰湖が広がり、その奥には遠目からでもどっしりとした山容の薬師岳が望めた。
登山を始めて4年目の平成18年「ふる里山歩きの会」に参加し薬師岳登頂をするが、それまでは薬師岳の山名も有峰湖の存在すら知らなかった。折立登山口から太郎平小屋まで5時間以上かかっただろうか。その日は体調不良と疲れで小屋まで数百メートルという所でへたり込んだ記憶がある。
折立の登山道は昭和32年に有峰ダム工事の業者らの尽力により開拓された新道である。古くは有峰集落(現・ダム湖底)から薬師岳登拝道があり、深山幽谷・藪分け入り薬師岳への登山を試みる者達が足繁くこの地を訪れたという。昔の登山は相当な技術と体力、知識が必要だったはず。
情報や道具は進歩しているが、今年は遭難が多かった。現代社会の中でも日の当たらないトンネルにへたり込む人がいる。「もう少し、がんばって」かつて見知らぬ人から励まされた。いま人生の下山の身となって言える、「トンネルを抜けると青空ですよ、歩いてみませんか」。
令和 4年 11月14日(月)
福井・紅葉さんぽ 同行者 ヘンコ
足羽神社〜西山公園〜花筐公園
「紅葉を見に行きたい都道府県」ランキング! 3位「北海道」、2位「栃木県」、1位は? 先々週のネット記事である。長野県かと思いつつスクロールすると「京都府」が圧倒的な1位になっていた。
過去、嵐山で渋滞に遭い駐車場の空きもなく素通り。瑠璃光院は院内に入るのに1時間待ち、結局は諦めて帰った。京都の紅葉狩りは泊まり覚悟の電車、バス利用がベストチョイスだろうか。
昨年に行った大原三千院では首尾よく近場に駐車。しかし、入りたい茶屋が行列だった。紅葉名所の多い京都は魅力的にうつるも、ここ数年来となりの県で密かな楽しみを見つけてある。
「そばがおいしいと思う都道府県」のランキング(2022年ネット調べ)に福井県が1位。渋滞も混雑も嫌。「花より団子」、もとい「紅葉より蕎麦」の方々は是非とも福井にお越しくださいませ。
令和 4年 12月21日(水)
越前海岸水仙まつり 同行者 ヘンコ 1万種以上の園芸種がある世界で親しまれる花。多種多様な水仙に、メキシコ出身の人気覆面レスラーを思い出す。1971年に初来日したミル・マスカラスは試合ごとにマスクを変え、「千の顔を持つ男」「仮面貴族」などのニックネームを持ち活躍するが、斬新な覆面のデザインが当時の日本では奇怪でもあったことから「悪魔仮面」とも呼ばれていた。
1億の人間がいればそれ以上の顔がある。ときに相手や喜怒哀楽により表情が変わる人。保育士3人の写真はにっこりしていても、虐待された園児の目にはどんな顔が映っていたか。「ママ友と一緒に子供を微笑ましそうに…」「自分の子はよく教育。立派なお母さんだなと」……報道記事にあった。虐待行為をしていた時の悪魔の顔は仮面だったと信じたい。
「あなたに出会った人がみな、最高の気分になれるように、親切と慈しみを込めて人に接しなさい。あなたの愛が表情や眼差し、微笑み、言葉にあらわれるようにするのです。」マザー・テレサの名言集にある。花の乏しい冬、栽培農家が大事に育てた越前水仙は正月の飾り花として出荷されていく。新しい年を穏やかな表情で迎えよう。
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