マスターの山ある記
     わが人生に悔いなし

 
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●俳句集
 
<春> 
 
―― 蒲公英の絮とんで二十歳の記憶 ――       ―― 拾ふものみなひび割れた桜貝 ――
―― 桜満開利家公槍掲ぐ ――            ―― ゆく春をすがるは我か神木か ――
―― 玉響の平和の鐘や菊桜 ――           ―― 還暦の陽だまり午後の菊桜 ――
―― 老桜よありへば我と剱岳(つるぎ)見よ ――   ―― 山旅の計画立てり梅ふふむ ――
―― 軽やかな使者の足おと雪雫 ――        ―― ネモフィラやガガーリンいま遊泳す ――
―― チンドン屋笑む目も遥に風光る ――      ―― 鼻の先さらさら綺羅の藤盛り ――
―― 馬糞うに食らひ飛びちる訛かな ――       ―― 悟空なり一目千本花の雲 ――
―― スキップの子にスキップの桜まじ ――     ―― 亀が鳴く杖つけど脚がでません ――
―― 集ふほど名乗り始まる朧月 ――        ―― 桜ひらひらはらはらと和の心 ――
―― 日の当たる人の影なか蕗の薹 ――       ―― 曇天の穴あく春の青さかな ――
―― 白日の暗がりすべて熊谷草 ――        ―― かつ飛ばせみな空あおげ土筆ん坊 ――
―― 鷹鳩と化し山の香の市場かな ――       ―― 打たれたる杭抜け難し波郷の忌 ――
―― 月日過ぐ澱みのなかの蛙ども ――        ―― 息抜きに出掛く木の芽も草の芽も ――
 
<夏>
 
―― 老母とてお花畑よ踏み出せば ――       ―― 渡りゆく熊鈴の音の尾根涼し ――
―― 甘雨受く蟻のごと這ひ槍ケ岳 ――        ―― 鴎見ゆ鬱なる梅雨を切り裂かん ――
―― はつ夏や野付半島まつきつき ――      ―― 巣を掃ひ事の善し悪し蜘蛛に問ふ ――
―― 石楠花の径どの径も花のみち ――       ―― かたつむり海の憂色欺けず ――
―― 闇の子に ∞(無限)のひかり舞ふ蛍 ――    ―― 微(び)の翅は翼となりて夏の雲 ――
―― 聞き流すマニュアル言葉驟雨来て ――      ―― 迎へ梅雨のら猫と吾との距離感 ――
―― 登山地図開く虚空の鳥となり ――        ―― 汗拭ふ尾根のひと風友かとも ――
―― 枝ぶりよき松の家訪ふ草田男忌 ――       ―― 空蝉の虫の学校もぬけの殻 ――
―― 孑孑の振るる浮世の百八つ ――        ―― 溢るもの溺るもの居て大瀑布 ――
―― 黙殺す虫の叫びを蟻に吾も ――        ―― 滝壺へ愚直ばかりが落ちにけり ――
―― 瀧しぶき落ちてこそなれいま翼 ――       ―― 白髪頭にそれぞれの濃紫陽花 ――
 
<秋>
 
―― 朝日浴び実り焦がるる稲雀 ――         ―― 残されしななかまどの実あかあかと ――
―― 雨靴の先や茸の早合点 ――           ―― 鬼役の籠に揺られし木の子らよ ――
―― 円居たる野良の人らが笑ひ茸 ――       ―― 黄昏のいで湯のまぶた山錦 ――
―― 僧兵の乱尽きてなほ散紅葉 ――         ―― 名月や寝も寝らめやも車中泊 ――
―― 吾亦紅やけに沁み入り廃業す ――       ―― うろこ雲一歩一歩の甲斐の山 ――
―― 見透かさる二個入り買えと桃が云ふ ――     ―― 術もなき河童うなだる秋出水 ――
―― 吊し柿老いて苦言の種甘し ――        ―― 林檎剥くくるりくるりとささめごと ――
―― 弁当の一つぶら提げ秋夕焼 ――         ―― 色鳥来折鶴よりも届けたき ――
―― 名木紅葉去り難し夕けぶり ――        ―― デンデラ野まだ生きている鰯雲 ――
―― 下向きも端も余さず大花野 ――         ―― コスモスのうなずくほどの平和かな ――
―― 湖や伊吹山(いぶき)や皆入りたがる墓参り ――  ―― 降りて来し山里のはや赤蜻蛉 ――
―― 闇夜から逢瀬のやうな秋の風 ――         ―― よたよた上りよろよろ下り黄落期 ――
―― 初年金受ける秋風受けるやう ――
 
<冬>
 
―― 口結ぶ翁の遠目春を待つ ――          ―― 冬日射す空き家まだ主の気配 ――
―― 角にとも鼻にとも似て木守柿 ――       ―― 白染や闇の政治に今朝の雪 ――
―― 立ち尽くす樹氷のひとつ釈迦に似て ――    ―― 冬晴や時間(とき)ゆるやかに五色幕 ――
―― 路地裏に燃ゆ一塊の寒椿 ――        ―― しんしんと昭和メロディー雪もまた ――
―― 沈黙の蒔絵なるべし冬銀河 ――         ―― 見えぬもの見え裸木の奥の景 ――
―― もう一度飛びたき風の落葉かな ――      ―― どの樹々も殊に雪積むダケカンバ ――
―― 達磨忌の手足のような鼻の象 ――      ―― 年中マスク目をつぶりのつぺらぼう ――
―― 去年今年なべの豆腐の浮きあがり ――     ―― 村は爺婆ねこがゐて冬日向 ――
―― 枯葉踏む乾いたこの世湿つた地 ――       ―― 寒柝やアルバムに亡き人まざり ――
―― 着膨れて行けば齢知るネオン街 ――        ―― 雪掻きといふ日曜の目覚時計 ――
―― 魔法欲し子の降らせたるその落葉 ――       ―― 濤の花自決の言葉打ち消せず ――
―― 四つ五つ惜しみつつ食ふもらひ餅 ――
 
<無季or自由律>
 
―― みちのくの頂いまだ笑顔ふたつ ――      ―― 見るは見らるる裏表なき谷内坊主 ――
―― 道路にパン屑、野生、命が落ちている ――     ―― 寄せ返す白波地球青むまで ――
―― 泳げる人は岸へ泳げぬ人は大海へ ――
 
<寒鴉〜入退院を繰り返して>
 
―― 崩落の喉あり真赤な烏瓜 ――        ―― 看護師の師走に笑みの一休み ――
―― 秘し隠す根に魂の冬木立 ――         ―― 点滴の仰臥ひねもす冬の雨 ――
―― 寒灯下かわやいびきの病者たち ――      ―― お前もか我も餌なし寒鴉 ――
―― 寒鴉鳴いてさびしき空の色 ――        ―― 妣の居る年月があり雪明かり ――
―― 受話器から漂ふ甘きクリスマス ――     ―― 雪催家つぶれビニールハウス ――
―― 一月の人肌ふれて日の出なり ――        ―― 採血の消毒注射雪女郎 ――
―― 春一番臥床の夢の粥をもや ――         ―― ほそりゆく雪の別れは淋しかり ――
 
<春炬燵〜2月退院、3月より化学療法始まる>
 
―― 外に出よみな天色を帯びて春 ――       ―― 命継ぐ妣の五年を春炬燵 ――
―― 胸までをまだ不可欠な春炬燵 ――        ―― 春の月ふと団らんの少年期 ――
―― 草青みパティシエ顔になりてゆく ――      ―― 色ならばさくら香ならば蓬餅 ――
―― ちんどんのごときさくらの行進かな ――    ―― てんと虫見上ぐわれこそ野の一点 ――
―― ホルモンも昭和も匂ふ夕薄暑 ――         ―― カタコトに片言返し夏の風 ――
―― 尊きものに瞬間と汗の人 ――          ―― 郭公や叔母が幼女の古写真 ――
―― おかへりと厨陣取る西日かな ――        ―― 通る声言霊のごと郭公の ――
―― これぞパンと云ふべきパン梅雨晴間 ――     ―― 冷房のまへ三分の仁王像 ――
―― 雨の日に嬉し悲しか虫の声 ――
 
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